次に連結会計に進みましょう。
連結会計とは、親会社、子会社などを含めた企業グループ全体での財務諸表を作成し報告することです。企業グループ全体の財務諸表を「連結財務諸表」と呼びます。
では、なぜ個別の財務諸表だけでなく、連結財務諸表が必要なのでしょうか?
実際の企業では生産や販売などの一連の事業活動を親会社、子会社で分担していることがあります。このような場合は、生産を行う親会社だけの財務諸表を見ても事業全体の業績はよくわかりません。
たとえば、自動車を生産する親会社と、その自動車を販売する子会社を考えてみましょう。親会社は生産した自動車をすべて子会社に販売すれば業績は良く見えます。しかし、そのメーカーの自動車は人気がなく子会社である販売会社で売れ残っているとしたら、子会社だけが業績不振に見えてしまいます。
このような場合は、生産と販売を含めた企業グループ全体を連結して見なければ、本当の意味での企業グループの業績はわかりません。そこで、企業グループ全体を見る連結財務諸表が必要となります。
連結財務諸表には、「連結貸借対照表」、「連結損益計算書」、「連結株主資本等変動計算書」、「連結キャッシュフロー計算書」などがあります。
次に「連結の範囲」を見ていきましょう。
連結財務諸表は、企業グループ全体の財務諸表でしたが、どこまでを企業グループとするかという連結の範囲を決める必要があります。
この「連結の範囲」は、「支配力基準」という基準で決定されます。
「支配力基準」では、議決権のある株式の過半数超を所有している場合や、過半数を所有していなくても、他の会社の意思決定を実質的に支配している場合に、子会社として支配しているとみなします。親会社は、原則としてすべての子会社を連結の範囲に含める必要があります。
また、親会社が直接過半数の株式を所有していなくても、他の子会社を通じて過半数の株式を所有している場合にも、その企業は子会社となります。
図の具体例で確認していきましょう。
P社は、様々な企業の株式を所有しています。図の例で、P社の連結範囲はどうなるでしょうか?1社ずつ見ていきましょう。
A社は、P社が議決権の50%を超えて直接所有しているため、P社の子会社となります。B社は、P社の子会社であるA社を通じて、議決権の50%を超えて間接所有しているため、P社の子会社となります。
C社は、P社の議決権の割合がちょうど50%ですが、50%を超えていないためP社の子会社とはなりません。したがって、D社も、C社が議決権の50%超を所有していますが、C社が子会社でないため、D社も子会社とはなりません。補足ですが、D社はC社の子会社となります。
E社は、P社の議決権所有割合が50%以下ですが、P社がE社の意思決定機関を支配しているため、支配力基準でP社の子会社となります。
F社は、A社同様に、P社が議決権の50%超を直接所有しているため、P社の子会社となります。
G社は、P社の子会社であるF社を通じて議決権を40%間接的に所有しており、P社が直接所有している割合20%を合計すると、60%所有していることになるため、G社もP社の子会社となります。
よって、この場合は、A社、B社、E社、F社、G社の5社がP社の連結範囲となります。
また、連結財務諸表は、通常は親会社の決算日である連結決算日に作成されます。
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