講座の前半では「価格戦略」を学習していきます。
前回の講座では、製品戦略を学習しましたが、いくら顧客ニーズに合ったすばらしい製品を開発しても、価格の設定次第では全く売れないことがあります。このように価格戦略はマーケティングの中でとても重要です。
まず、価格にはどのような役割があるのでしょうか?
顧客が製品を購入する、すなわち取引が成立するためには、顧客は支払う対価よりも、製品により受け取る価値の方が大きいと認識する必要があります。そして、その価値の判断基準となるのが価格です。
また、企業側から見た場合は、価格の設定次第で利益が大幅に変わってきます。価格を高く設定すれば、粗利率は増えますが、販売量が減り全体の売上や利益が少なくなる可能性があります。逆に、価格を低く設定すれば販売量は増えますが、粗利率が減り儲からなくなる可能性があります。
また、価格を設定する上では様々な影響要因を考慮する必要があります。
価格の影響要因としては、第一に消費者の需要が挙げられます。経済学の完全市場の理論では、需要が供給よりも大きい場合は価格が上昇し、需要が供給よりも小さい場合は価格が低下します。一般的にも、人気がある製品は価格が高めに設定され、不人気の製品は安売りされることが良くあります。
また、製品によって価格を下げるとよく売れるものと、価格を下げてもあまり売上が変わらないものがあります。これを表すのに、需要の価格弾力性という言葉が使われます。
需要の価格弾力性とは、価格が変化したときに、需要が変化する割合を表します。
価格弾力性 = 需要の変化率 / 価格の変化率
例えば、価格を5%下げたときに、需要が10%上昇した場合は、価格弾力性は2となります。価格弾力性が大きい製品は、価格を高くすると売れなくなります。逆に価格弾力性が小さい製品は、価格を変更しても売上はあまり変わりません。このように、需要の価格弾力性により、価格戦略が変わってきます。
次の影響要因として、製品のコストが挙げられます。製品の製造や販売にかかるコストは、価格設定の際の基準となります。コストにどれぐらい利益を上乗せするかで、価格戦略は変わってきます。
次に、競合の存在が挙げられます。通常は市場には複数の競合がいるため、競合を意識した価格設定をする必要があります。
次に、法的な規制が挙げられます。例えば、独占禁止法ではメーカーが流通業者の販売価格を拘束することなど、不公正な取引を禁止しています。
このように、価格設定の際には、様々な要因を考慮する必要があります。また、価格戦略は、マーケティング戦略の一部であるため、製品戦略、チャネル戦略、プロモーション戦略と合わせて考えることが重要です。
★この講座の完全版は中小企業診断士 通勤講座「1-11 価格・チャネル戦略」にあります。
http://manabiz.jp/course01k.html
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